2020年7月より、レインフォレスト・アライアンスは、2019年7月に開始されたカカオ、茶類、ヘーゼルナッツの相互認証に加えて、コーヒー、バニラ、抽出用ハーブ(ルイボスを含む)にも相互認証を拡大します。これはつまり、これらの作物のサプライチェーンの最も川下にいる企業がレインフォレスト・アライアンス認証またはUTZ認証原料(あるいは両方の混合)を調達し、レインフォレスト・アライアンス認証マークまたはUTZラベルマークを、それぞれの認証マーク/ラベルマーク規定に基づいて包装上に表示することができるようになる、ということです。
これは2018年12月から実施されている、現行の加工・流通過程の管理基準のいずれか一方の監査を受けている企業に、UTZ認証およびレインフォレスト・アライアンス認証原料の購入を許した 加工・流通過程の管理基準の相互認証に追加されるものです。
相互認証開始に向けての準備として、全ての作物に対する数量に基づいたロイヤルティ/プログラム費用が、2020年7月1日からUTZとレインフォレスト・アライアンスの間で調整されます。コーヒーについては、現在のレインフォレスト・アライアンスのプログラムのレートで調整されます。尚、カカオについては2つの現行プログラム費用の中間のレベルに合わせて、茶類についてはレインフォレスト・アライアンスのロイヤルティのレベルに合わせて調整されました。ルイボスとハーブティー原料については、UTZのプログラム費用に合わせることになります。これはつまり、レインフォレスト・アライアンス認証ハーブ原料の販売者にとっては新たにロイヤルティが設けられることになります。バニラについては引き続きUTZのプログラム費用の対象外とし、レインフォレスト・アライアンス認証バニラへのロイヤルティの請求はまだ行いません。これらの作物それぞれの新しいロイヤルティ金額につきましては下記をご参照ください。
これらの一連の相互認証に関する調整および手続きはメンバー企業各社の手間を簡素化するための重要なステップであり、私共の新しい認証プログラムへの移行を容易にするものです。加えて、両システムの生産者が、自らの生産物に対して新しいバイヤーと市場を見つけられることを願っています。
詳しい情報は以下の Q&A、相互承認ガイドライン文書をご確認いただくか、customersuccess@ra.orgまで英語でご連絡ください。
質問および回答
範囲&一般
相互認証はどの作物に適用されますか?
- 2020年7月1日以降:コーヒー、バニラおよびルイボスを含む抽出用ハーブ
- 2019年7月以降:カカオ、茶類およびヘーゼルナッツ。
今回コーヒーが追加されたのはなぜですか?
私共は、第一回目の文言レベルにおける相互認証にコーヒーを含みませんでした。これは現在のコーヒー市場の価格と供給条件を鑑み、サプライチェーン上の認証コーヒー農園ならびに企業に対してネガティブな影響を緩和し、条件を公平にするための措置を取りたかったためです。私共は、2つの方法でこれに取り組んでいます:1)先ず2019年12月に、全ての認証農園に対する継続的改善項目を含んだ新しい基準が翌年に有効になるまで、現在のレインフォレスト・アライアンス認証農園に対する継続的改善項目への遵守という要件を撤回しました。この措置は、生産者が継続されない可能性のある要件に時間や労力を費やすよりも、新しい基準の項目に確実に投資する上で役立つものです。そして、2)2020年7月、既に相互認証の利益を受けている他の作物に対して行ったように、サプライチェーン上の費用を均一化するため、私たちはコーヒー向けのUTZ プログラム費用をレインフォレスト・アライアンス・ロイヤルティに置き換えます。
「抽出用ハーブ」には何が含まれますか?
抽出用ハーブ(「ハーブティー」とも呼ばれます)には、ルイボス、ミント、ハイビスカス、リンゴ片および抽出用ハーブ混合物に使用される全ての原材料(ハーブ、香辛料、花、およびそのほかの植物原料)が含まれます。しかし、抽出用ハーブの一部ではないハーブや香辛料(食卓用ハーブ、食卓用スパイスおよび混合調味用など)は相互認証には含まれません。
他の作物についてはどうでしょうか?
バナナや他の果物、パームやココナッツ油、花束、食卓用スパイス等、レインフォレスト・アライアンス認証農園産の他の製品を販売している企業は、引き続きレインフォレスト・アライアンス認証マークを使用できますが、UTZラベルマーク/認証マークを使用することはできません。コーヒー、カカオ、茶類、ルイボスを含む抽出用ハーブ、バニラおよびヘーゼルナッツ以外には相互認証は適用されません。
レインフォレスト・アライアンスとUTZの基準は異なります。消費者が混乱する恐れはありますか?
私共の既存の2つの認証スキームは目標と影響において非常によく似ています。しかし、私共はこの移行期間中ふたつのマークが持つ意味の概要詳細をウェブサイトで発表していきます。メンバー企業の皆様には、私共が新しい基準に向けて取組みを進めていく間、完全な透明性と情報公開を確保するために自社広報資料などにこのページへのリンクをお使いいただけます。
新しい認証プログラムでは、どのようなマークまたはロゴが使用されますか?
私共は、新しい農業認証の開発の一環として、レインフォレスト・アライアンス・認証マークの現時点における消費者レベルでの高い認知度とブランド価値を最大限に生かしながら、認証マークを更新し最新化するための作業を行っています。数か月以内に、より詳しい情報をお届けいたします。
UTZラベルマークは段階的に廃止していきますが、UTZラベルマーク承認申請は少なくとも2022年末まで継続してご提出いただけます。また、UTZ認証ブランド製品に対するサポートは、調達からマーケティングに至るまで継続してまいります。
相互認証を利用するには何をしたら良いですか?
加工・流通過程の管理基準認証の相互認証設定を実施なさっていない場合は、先ずこちらを確実に行っていただくことをお勧めいたします。また、マーケットプレイス・プラットフォームのアカウントをお持ちでない場合は、相互認証の申請を行うために必要となりますのでご登録ください。
文言(クレーム)
ひとつのパッケージ上やひとつの文言に両方のマークを使用することはできますか?
いいえ、相互認証を通じてはできません。しかし、既存の規定は適用されますので、場合によってはラベルの二重表示がありえます。例えば、原料のひとつがUTZ認証を別の材料がレインフォレスト・アライアンス認証を受けている場合は、どの原料がどちらの認証に関係しているかを明示している場合に限り二つのマークを個別に使用し続けることができます。
相互認証を使用する場合は、どのラベルマーク/認証マーク規定が適用されますか?
使用しようとする認証マーク・ロゴに関連したガイドライン/方針が適用されます。つまり、UTZのロゴを使用したい場合は、UTZの2017年ラベルマークおよび商標方針が適用されます。従来のレインフォレスト・アライアンス認証マークの使用を希望する場合は、2016年版レインフォレスト・アライアンスのの商標使用要件 およびガイドラインが適用されます。新レインフォレスト・アライアンスマークを使用する場合は、「RAラベル表示と商標指針(2020年版)」と「RAマークのグラフィックガイドライン(2020年版)」を適用してください。
レインフォレスト・アライアンスの認証マークをヘーゼルナッツに使用することはできますか?
はい、可能です。私共は、ブランドの全ての文言をひとつにまとめ、メッセージを簡略化し、消費者の混乱を招くメッセージの拡散を防ぐのに役立つと信じています。これは、将来的にひとつの新しいシール(認証マーク/ラベルマーク)に向けた移行を容易にするものでもあります。
レインフォレスト・アライアンスの認証マークをヘーゼルナッツに使用することはできますか?
はい、可能です。私共は、ブランドの全ての文言をひとつにまとめ、メッセージを簡略化し、消費者の混乱を招くメッセージの拡散を防ぐのに役立つと信じています。これは、将来的にひとつの新しいシール(認証マーク/ラベルマーク)に向けた移行を容易にするものでもあります。
どのような文言が許されますか?
全ての文言は、真実で正確であり、対応するラベルマーク/認証マーク方針やガイドラインに則っていることをレインフォレスト・アライアンスによって事前に承認されなければなりません。UTZ認証およびレインフォレスト・アライアンス認証農園のどちらか、または両方から調達している企業は、その製品に関して相互認証の通りにラベルマーク/認証マークや文言を記載することができます。ただし、新レインフォレスト・マークを使用する場合は、「レインフォレスト・アライアンス認証農園産」または単に「レインフォレスト・アライアンス認証」と記載することができます。それぞれの国のラベル表示に関する法律については、ご自身の法律専門家にご照会ください。地域の法律を確実に遵守することは企業の責任です。
マスバランス・カカオはどうなりますか?
レインフォレスト・アライアンスのカカオ調達マークを、相互認証を通じて全てまたは一部の原料をUTZ認証農園から調達したマスバランス・カカオに使用する場合は、包装上の文章と対象となるウェブページは適宜更新されなければなりません。例えば、包装上には次のような文章を掲載できます。「私たちは、この製品に使用された数量と同量のカカオをレインフォレスト・アライアンス認証および/またはUTZ認証農園から購入しています」。
製品にGMOs(遺伝子組み換え生物)が含まれていないことを表示できますか?
はい、認証とは別の文言であることを裏付けられるならば可能です。 相互認証に含まれる作物に関しては、一般的に遺伝子組み換え生物(GMOs)を手に入れることはできないと理解していますが、UTZとレインフォレスト・アライアンスの基準はGMOsの扱いについて異なっています。レインフォレスト・アライアンスの基準はGMOの使用を禁止していますが、UTZの基準はGMOの使用を生産者がUTZに申請している場合は許可しています。現在まで、UTZが生産者からGMOの申請を受理したことはありません。しかし、今後生産者がGMOの使用を申請した場合は、その認証生産者が生産したUTZ認証製品は相互認証の資格を得ることはできません。
UTZラベルマークの記載されたコーヒー製品を、30%レインフォレスト・アライアンス認証マークに変更することはできますか?
いいえ、できません。現在UTZラベルマークで承認されているコーヒー製品(消費者向けおよびフードサービス向けの両方)には少なくとも90%のUTZ認証原料が含まれていなければならず、相互認証の下でレインフォレスト・アライアンス認証マークに変更する場合も90%以上の認証原料を含まなければなりません。企業が相互認証の結果として製品中の認証原料含有量のパーセンテージを「下げる」ことは許可されていません。
サプライチェーン
サプライチェーン上を認証原料ロットが移動する中で、UTZとレインフォレスト・アライアンス間で同ロットを交換・変更することは可能でしょうか?
いいえ、できません。私共のシステムで認証原料ロットがUTZまたはレインフォレスト・アライアンス認証原料として入力された後は、最終ユーザーが文言を作成するまでどちらかの認証原料として取り扱われなければなりません。どちらか一つのシステム上で紐づけする事で、私共(および最終ユーザー)はトレーサビリティならびに該当産地でどちらのプログラムの行動規範と基準が展開されていたかについての情報を入手し保持する事が可能となります。さらに、加工・流通過程の管理基準レベルの相互認証がすでに実施されていますので、正しい事務手続きが行われている限りは、サプライチェーン関係者による両方(の製品)の購入を妨げるものではありません。
サプライチェーンの中間関係者が両プログラムから購入している場合、加工段階でUTZとレインフォレスト・アライアンス認証原料を物理的に混合することはできますか?
いいえ、できません。マスバランスの場合を除き、ふたつのスキームは生産地から最終ユーザーに至るまでサプライチェーンを通じてそれぞれ独立したままであり、最終ユーザーのところではじめて原料を混合することができます。クレームに必要な承認が与えられているかを確認する第三者認証機関は、これらのクレームが正確な出典を示し、またこの段階ではどちらのスキームによるものかを確認します。
UTZとレインフォレスト・アライアンス認証のマスバランス・カカオ原料は、混合して同量として相互認証で計算することはできますか?
はい、可能です。UTZとレインフォレスト・アライアンスのマスバランス・カカオ・プログラムのルールは一致していますので、第一バイヤーから先(基本的に農園より先の、UTZまたはレインフォレスト・アライアンス認証カカオの取引または製造を行う全ての企業)では、レインフォレスト・アライアンスまたはUTZ認証原料を物理的に混合して数量を計算し、消費者向け製品にラベル表示できます。
カカオのマスバランスは、2020年に発表される新しい基準、方針およびガイドラインでも継続して認められる予定です。また、マスバランス・カカオの要件も現行のUTZとレインフォレスト・アライアンスのプログラムと同じとなる予定です。
サプライチェーン関係者は、UTZまたはレインフォレスト・アライアンス認証の数量を、他のスキームの認証を受けた製品、あるいは全く認証を受けていない製品と混合することはできますか?
既存のマスバランス規定に基づいて、あるいは30⁻90%認証原料の文言を表示した消費者向け製品の場合のみ可能です。相互認証はUTZとレインフォレスト・アライアンスの認証プログラムの間で実施されるものであり、これ以外の基準やスキームに対して認められるものではありません。
費用
なぜロイヤルティ/費用が変わるのですか?
サプライチェーンの最後の段階で数量を相互に交換して利用可能にするには、新しい認証システムへのこの移行期間にレインフォレスト・アライアンスが請求する費用/ロイヤルティを調整することが重要です。
コーヒーについては、ロイヤルティをレインフォレスト・アライアンスのプログラムのレートに合わせます。茶類の場合は費用は低いレベルに揃えることができたので、茶類プログラムのユーザーには追加の利点がもたらされます。カカオについては、両スキームの間をとった新規レートに揃えることを選択しました。ヘーゼルナッツには費用はありません。
どのようなレートになりますか?
相互認証をサポートするため、既存の費用/ロイヤルティを調整します。新基準への移行期間中に請求されるレートは以下の通りです:
カカオ
- カカオ1トンあたり$12.90(2019年7月からレインフォレスト・アライアンスのロイヤルティとUTZプログラム費用を変更、また現行のUTZメンバーシップ費用を2020年1月から廃止)。費用の全面的な調整のため、UTZの大規模数量割引の構造は2019年7月1日に停止されました。UTZの第一バイヤーの費用値上げの総額の上限(キャップ)は、2019年以前の費用と新たな年間費用を比較し20%増となります。
コーヒー
- 2020年7月1日より、現行のレインフォレスト・アライアンスのロイヤルティと同じく、コーヒー生豆1トン当たり$33.07(1ポンドあたり$0.015)。UTZ認証コーヒーにとっては、1ポンド当たり0.3USセントの増加となります。又、2021年1月より請求先を輸出後の第一バイヤー(生産国から輸出されない場合は、生産国内においてMultitrace内でRedeem(引換え)処理を行う企業・組織)に変更する予定です。
ヘーゼルナッツ
- ヘーゼルナッツ1トンあたり€30のプログラム費用で、加工・流通過程の管理基準認証の第一バイヤーに請求され(変更無し)、メンバーシップ費用は継続します(変更無し)。
抽出用ハーブ(ルイボスを含む)
- 2020年7月1日より、全ての抽出用ハーブ原料1トンにつき€22.50。現在のUTZプログラムと同様、各サプライチェーンで一度のみ集金され、UTZまたはレインフォレスト・アライアンスの文言の有無にかかわらず、消費者向けの抽出用ハーブ製品の包装業者に請求されます。
茶類 (ハーブ類を除く)
- 茶類1トンあたり$12.50 (既存のレインフォレスト・アライアンスのロイヤルティからの変更無し、2019年7月1日からUTZのプログラム費用を変更)。
バニラ
- 今回の変更においてバニラに対するロイヤルティまたは費用は設けられません。
レインフォレスト・アライアンスの持続可能な農業のための基準/UTZ農園管理基準認証保有者
現時点において在、生産者が自動的に製品をUTZあるいはレインフォレスト・アライアンス認証のいずれかとして販売することはできますか?
いいえ、できません。全ての生産者は、それぞれの認証に基づいてUTZまたはレインフォレスト・アライアンス認証としてその製品の販売を継続する必要があります。また、自らの販売について、現在設定されている通りの該当トレーサビリティ・システムに引き続き登録する必要があります。しかし、サプライチェーン関係者が加工・流通過程の管理基準認証の相互認証(こちらのガイドラインを参照)を申請できるよう既になっているため、結果として生産者はより広い顧客基盤にアクセスできるようになりますし、今回の文言レベルでの相互認証開始後はいずれかの文言を表示したいと考えているブランドをサポートするために自らの認証原料を販売できるようになります。これはつまり、生産者レベルでは何の変更もする必要なく、今まで以上の多くのバイヤーがいずれかの認証を受けた生産者から原料を購入できるようになるということを意味しています。