2018年のレインフォレスト・アライアンスとUTZ認証の合併以来、レインフォレスト・アライアンスのもと、単一の認証およびトレーサビリティプログラムに向けて、調整に取り組んできました。これらの取り組みにより、レインフォレスト・アライアンス2020持続可能な農業基準を形成し、トレーサビリティを保証するための統合された方法を確立しました。
完全相互認証は、この統合に向けたもう1つのステップです。従来のレインフォレスト・アライアンスプログラムとUTZプログラムの数量、ライセンスおよび認証は、新しいレインフォレスト・アライアンスプログラムの数量と同じように取り扱われます。貴社のお取り扱い作物に関する具体的な情報については、次のFAQをご覧ください。
完全相互認証とは何ですか?
完全相互認証により、3つのプログラム(従来のレインフォレスト・アライアンス、UTZ、および新しいレインフォレスト・アライアンス・プログラム)の数量すべてが「レインフォレスト・アライアンス」数量とみなされることになります。完全相互認証では、従来のレインフォレスト・アライアンスとUTZの両プログラムの数量、ライセンス、認証を、新しい基準の数量とライセンスと同じように扱います。これは、レインフォレスト・アライアンスのオンライン・トレーサビリティシステムでも、貴社自身の運営においても、新旧の数量を物理的、運営的上いずれも、分けて保管する必要がないということを意味します。
これは、扱うすべてのトレーサビリティレベル、すなわち分別生産流通管理(IP)、混合分別生産流通管理(Mix IP)、分離方式(Segregated)、およびマスバランスに適用されます。これらの詳細については、レインフォレスト・アライアンス持続可能な農業基準の付属文書S6に記載されています。
新基準への移行にはどのような意味がありますか?
移行規則とスケジュールは同じままです。2020持続可能な農業基準と移行規則についての詳細は、こちらをご覧ください。
完全相互認証が適用されるのはいつですか?
カカオ、ヘーゼルナッツ、茶類については、 2022年1月31日から完全相互認証が利用可能になります。この日を境に、元のプログラムに関わらず、貴社のマルチトレースアカウントにあるすべての数量がレインフォレスト・アライアンス数量に変更されます。
ハーブ類とスパイス(ルイボスを含む)、加工果物(ココナッツ油を含む)、花卉については、 2022年1月1日から完全相互認証が利用可能になります。
コーヒーについては、完全相互認証が次の2段階で展開されます。
- 2022年1月31日 より、2020 SASおよびUTZ数量の間のマルチトレースにおける完全相互認証が行われます。この期間中、従来のRA 2017数量のトレーサビリティの報告はマーケットプレイスに残ります。
- 従来のRA数量がマーケットプレイスからマルチトレースに移行された後 (2022年第1四半期中を予定)、3つの基準(2020 SAS、UTZ、RA 2017)すべてにおいてマルチトレースでの完全相互認証が行われます。
最初に認証された数量がどの基準か確認することはできますか?
いいえ。3つのプログラムはすべて1つの「レインフォレスト・アライアンス」に統合され、そのように表示されるだけです。完全相互認証が適用されると、「レインフォレスト・アライアンス」の数量のみを売買することができます。
新基準に移行する前に、以前のトレーサビリティアカウントを使用して新基準の数量を受け取ることはできますか?
新2020RA認証基準数量のトレーサビリティシステムにおいて、有効なライセンスや認証を持つ既存のアカウントがあれば、移行前であってもそのアカウントを使用して新基準の数量を受け取ることができます。
例えば、加工果物の場合、2022年1月1日以降、マーケットプレイス 2.0では、新基準に移行する前に、既存のアカウントを使用して新基準の数量を受け取り、取引することができます。
例えば、2022年1月31日以降、マルチトレースにおいて、カカオまたはヘーゼルナッツの有効なUTZライセンスをお持ちの方は、新基準に移行する前に、UTZアカウントで新基準の数量を受け取り、取引することができます。
マーケットプレイス 2.0に参加しているコーヒー企業は、マルチトレースに移行するまで(2022年第1四半期を予定)、これらのアカウントを新基準の数量の取引に使用することはできません。
現在のトレーサビリティシステムの概要は、こちらをご覧ください。
この変更は使用料やプログラム費用の請求書作成の過程に影響しますか?
はい。時期や過程には影響しますが、金額には影響しません。すべての農作物に対する数量ベースの使用料は、すでに調整済みです。完全相互認証を実装するために、使用料改善にあたっていくつかの重要な変更があります。
- 使用料の請求書はすべてレインフォレスト・アライアンスから送られます。
- マーケットプレイス 2.0に残っているすべての農作物で、現在請求書が発行されているものは、引き続き四半期ごとに請求されます(変更はありません)。 これには、マーケットプレイス 2.0からのデータ移行が行われるまでの間に取引されたコーヒー数量が含まれます。
- ハーブティーの原材料とUTZルイボスは、引き続き毎月請求されます(変更なし)。
- カカオ、コーヒー、紅茶、ヘーゼルナッツ*:マルチトレースで取引されている農作物については、システム開発に合わせていくつかの変更を行います。
- 2021年第4四半期の請求周期の場合
- マルチトレースに登録されているすべての農作物にける従来の数量は、通常の請求手続きに従って請求されます。
- 新基準のレインフォレスト・アライアンス数量は、 2022年4月に請求されます。
- 2022年第1四半期のすべての請求周期では、マルチトレースのすべての農作物のすべての数量は、 2022年4月に請求されます。
- 2022年第2四半期以降
- マルチトレースのコーヒー、カカオ、ヘーゼルナッツは 毎月請求されます。
- マルチトレースの紅茶は 四半期ごとに請求されます。
- マルチトレースに導入された後、ハーブ類とスパイスは 毎月請求されます
*なお、ヘーゼルナッツについては、2022年1月1日以降、ヘーゼルナッツカーネル相当量1トン当たり42ユーロの使用料を徴収します。2022年第1四半期には、使用料は第一バイヤーに請求されますが、第2四半期からは輸入者に請求されます。 また、ハーブ類とスパイスは2022年中、生鮮・加工果物は2022年1月1日から、野菜類は2022年7月1日から、それぞれ新たな使用料を導入します。すべての使用料率の詳細については、説明ページレインフォレスト・アライアンス認証の費用はどのくらいですか? をご参照ください。
これは、トレーサビリティシステムに入力されたすべての数量に対して、サステイナビリティ差額(SD)とサステイナビリティ投資(SI)を支払う必要があるということですか?
いいえ。SDとSIの支払いスケジュールの概要については、こちらをご覧ください。トレーサビリティシステムでは、生産者と第一バイヤーとの間の販売は、該当生産数量に適用される基準の規則に従う必要があります。この基準に基づき、ユーザーはプレミアム、サステナビリティ差額(SD)およびサステナビリティ投資(SI)を入力するか、またはトレーサビリティシステムに理由を添えて「必須ではない(Not Required)」を選択します。
いくつか例を挙げてみましょう。
- マルチトレースでは、レインフォレスト・アライアンス新基準のカカオやヘーゼルナッツの第一バイヤーはSD/SIを示す必要があるため、この取引を開始するユーザーはSD/SIを選択し、適切な情報を入力します
- マルチトレースでは、UTZコーヒーの第一バイヤーはコーヒーのプレミアムを示す必要があるため、この取引を開始するユーザーはプレミアムを選択し、適切な情報を入力します
- 従来のレインフォレスト・アライアンス紅茶の第一バイヤーは紅茶のプレミアムを示す必要がないため、マルチトレースでこの取引を開始するユーザーは、「必須ではない(Not Required)」を選択します
現在、マーケットプレイスで取引されている農作物には、まだプレミアムや責任の共有の要件がないため、ユーザーにとっての変更はありません。生鮮果物および野菜類と加工果物については、2023年1月1日からSD/SIの要件が義務付けられます。
マルチトレースのユーザー手引きもそれに応じて更新され、システムメッセージではどの選択肢を選べばよいかが明確になります。
異なる基準の数量を物理的に混合することはできますか?
はい。これは、物理的な混合に関する移行規則の一部としてすでに定められています。トレーサビリティシステムの観点から、ある農作物の全数量が1つのトレーサビリティシステムに含まれていれば、これらの数量を混合し、1つのトレーサビリティシステムでトレーサビリティを管理することができます。
トレーサビリティシステムの観点から、MTTにおいてUTZとRA2020の間では、コーヒー数量を混合することができます。従来のレインフォレスト・アライアンスの数量については、UTZおよびRA2020の数量と物理的に混合させることができますが、これらの数量がMTTに移行するまで(2022年第1四半期中を予定)、マーケットプレイス 2.0で個別に報告する必要があります。
1つのプラットフォームで複数のトレーサビリティアカウントを持っていますが、トレーサビリティのため異なるアカウントを統合することはできますか?
その回答は、システムによって異なります。マーケットプレイスでは、カスタマーサクセスチームにアカウントの統合を依頼すれば、可能です。
マルチトレースでは、アカウントは統合できませんが、数量は販売(sale)機能を使用して統合することができます。これにより元のアカウントは閉鎖するわけではありませんが、カスタマーサクセスチームに連絡して、古いアカウントの登録を解除することができます。 連絡先:customersuccess@ra.org (注意:この作業を行うと、このアカウントの取引履歴にアクセスできなくなります)。
アカウントを統合した場合、取引履歴を見ることはできますか?
マルチトレースでは、アカウントを統合することはできません。 つまり、取引履歴は古いアカウントにアクセスした場合にのみ見ることができます。
マーケットプレイス 2.0では、アカウントの統合により、すべての取引履歴が1つのアカウントに集約されます。
ある農作物について、現時点でトレーサビリティシステムがない場合はどうなりますか?
オンラインシステムが提供されていない場合、企業は基準で要求されているトレーサビリティ情報を、自社のシステムや文書に記録する必要があります。新しいトレーサビリティシステムが稼働した際には、トレーサビリティシステムの情報を遡及して適用する方法の手引きを提供します。例えば、現在ピーナッツにはトレーサビリティシステムがないため、企業は自社のシステムで購入と販売に関する文書を管理する必要があります。