レインフォレスト・アライアンスは、すべてのカカオ製品のトレーサビリティを新しいデジタルプラットフォームの「マルチトレース」に移行しつつあります。
マルチトレースは、生産者と企業にさらなる効率と透明性をもたらすプラットフォームです。レインフォレスト・アライアンスの新しい2020認証プログラムの導入を支援するとともに、内部的な管理と外部的な情報開示を目的とした高い水準の報告機能を実現します。
マルチトレースは、レインフォレスト・アライアンス、生産者、企業が協業するための新しいより良い方法をもたらします。生産者と企業にとっては、レインフォレスト・アライアンスおよびUTZの認証カカオ製品の購入、販売、変換をすべて記録するための統一的な取引システムとなります。また、今までよりも詳細な情報と個別の状況に応じた手引きをもたらし、中央一元的なシステムとして機能します。
完全相互認証の導入をもって、(UTZおよびレインフォレスト・アライアンスの)従来のプログラムはこのシステム内では表示されなくなり、従来のプログラムで認証されたカカオ製品すべてが同じように取り扱われます。これにより、管理業務の手順をいっそう単純化します。
トレーサビリティの展望
私たちが描いている展望は、個々の生産者から出荷される数量と最終的に使用される表示の間につながりを作ることです。
レインフォレスト・アライアンスでは、生産者から最終製品に至るまでの完全なトレーサビリティを可能にしながら、十分な柔軟性をもたらして、私たちのプログラムのなかで個別のサプライチェーンにとって最適なレベルのトレーサビリティ(IP、MIXIP、SG、MB)を使用できるようにすることを目指しています。その一環として、原産国の一致(オリジンマッチング)マスバランスを導入しました。これはマスバランスの進化であり、次のステップとして欠かせないものだと、私たちは考えています。
トレーサビリティとマルチトレース
マルチトレースでトレーサビリティを管理することにより、生産者と企業に多数の利点がもたらされます。
- 生産者と企業が、レインフォレスト・アライアンスおよびUTZの認証カカオ製品の購入、販売、変換をすべて統一的なシステムに記録できるようになります。これにより、レインフォレスト・アライアンス2020持続可能な農業基準の要件を満たすための有効かつ効率の高い仕組みがもたらされます。
- マルチトレースにより、内部的な管理と外部的な情報開示を目的とした高い水準の報告がしやすくなります。
- 企業は、原料生産におけるリスク領域や機会を特定することができます。そのうえで、レインフォレスト・アライアンスと連携して、生産地でプログラムを開発・導入し、改善を図り、その成果を公に向けて情報発信できるようになります。
マルチトレースのトレーサビリティは、2020認証プログラムや関連する革新をどのように支援するのでしょうか?
生産者から最終製品まで、その端と端を結ぶトレーサビリティは、以下の革新を可能にするのに役立ちます。
責任の共有
新基準では、サプライチェーンをより公平にすることを目的とした革新的な要件を導入しています。これらの「責任の共有」要件は、サステイナビリティ差額 (SD) とサステイナビリティ投資(SI) の2つの部分で構成されています。詳細については、カカオ SD SI の概要を参照してください。
マルチトレースは、完全なSDおよびSIの記録を可能にします。これにより、生産者や企業は、どのような投資が行われているのか、より明確で透明性の高い情報を得ることができます。これには、金銭の動きだけでなく、サプライチェーン関係者が提供する現物サービスも含まれます。
マルチトレースは、サプライチェーンから支払われるSDやSIの透明性を高めることで、サプライチェーン関係者がより持続可能なカカオ生産に必要な、投資の分担に責任を持てるようにすることも目的としています。また、その投資が効果的で適切なものであるという確信を得ることができます。
オリジンマッチング マスバランス
私たちは、オリジンマッチング マスバランスを導入しています。オリジンマッチング マスバランスは、新しい2020認証プログラムをはじめ、従来のレインフォレスト・アライアンス プログラムや UTZ プログラムという3 つのレインフォレスト・アライアンス プログラムすべてに適用されます。1つのプラットフォームで 3 つのプログラムに利用して取引できるようになったことで、企業が取引を行う際のオリジンマッチングが非常に容易になり、異なるプログラム間でリスクと一致を分散するための柔軟性が高まりました。
また、マルチトレースは、オリジンマッチングの要件を満たす量の混合・販売を容易にする機能も提供します。
最後に、報告機能は、企業が(要件)遵守のために適切な量を販売していることを確認するための支援をします。
トレーサビリティ レベル
レインフォレスト・アライアンスでは、次の 4 段階のトレーサビリティを認めています。マスバランス方式(MB)、分離方式(SEG)、分別生産流通管理方式(IP)、混合分別生産管理方式(MixIP)。私たちは現在、従来のマスバランス方式を段階的に調整しています。マルチトレースでは、企業の作業内容やサプライチェーンに最適なトレーサビリティ レベルを使用することができます。
分別生産流通管理方式(IP)、分離方式(SEG)、マスバランス方式(MB)、混合分別生産管理方式(MixIP) とは何ですか?
分別生産流通管理方式(IP)とは?
レインフォレスト・アライアンス認証を受けた原材料や製品を、単一農場か農場団体にさかのぼって特定することが可能なトレーサビリティの選択肢です。マルチトレースでIPとして取引されている量には、サプライチェーンを通じて農場認証保有者の情報が表示されます。
分離方式(SEG)とは?
分離方式(SEG)とは、他の原産国を含む、異なる認証供給源/農場から供給されている可能性があるものの、製品の内容すべてが認証されていることを意味します。生産者情報の表示を希望しない企業は、変換、混合(ブレンド/バルク)、販売取引のいずれかの画面で、分別生産流通管理方式(IP)から分離方式(SEG)に格下げしてください。
マスバランス(MB)とは?
マスバランス(MB)とは、認証保有者が、レインフォレスト・アライアンス認証ではない製品であっても、同等の量がレインフォレスト・アライアンス認証として調達された場合には、その製品をレインフォレスト・アライアンス認証であると表示することができる管理上のトレーサビリティレベルです。
混合分別生産管理方式(MixIP)とは?
認証製品は、異なる認証供給元/農場からのものですが、サプライチェーン全体で同一性が保たれています。マルチトレース で、混合分別生産管理(MixIP)として取引されている量には、サプライチェーンを通して 農場認証保有者の情報が表示されます。
カカオ生産者および企業に対する要求事項
生産者から最終製品まで、その端と端を結ぶトレーサビリティは、あなたにとって何を意味しますか?
レインフォレスト・アライアンス認証マークを引き続き使用するため、企業は新しいトレーサビリティ要件に準拠する必要があります。
企業は、関連する現行基準(レインフォレスト・アライアンスおよび/またはUTZ)と、2021年7月1日からはトレーサビリティ要求事項を含む新しい2020年認証プログラムへの準拠を確実にする必要があります(サプライチェーン要求事項の2.1項および2.2項を参照)。新プログラムへの移行方法についてはこちらをご覧ください。
どの製品にトレーサビリティを提供しますか?
マルチトレースで追跡できるサプライチェーンは、現在のマーケットプレイスやGIPでのトレーサビリティの範囲が拡張されます。
- カカオ豆から最終的なチョコレート製品までのトレーサビリティを提供してます。
- サプライチェーンの重要な関係者として、特定の小売業者も認証の範囲に入ります。 レインフォレスト・アライアンス認証を取得すべき小売業者をご参照ください。
2021年7月1日以降、この拡張された範囲は、新しい2020認証プログラムに加え、従来のレインフォレスト・アライアンス プログラムおよび UTZ プログラムの 3 つのレインフォレスト・アライアンス プログラムすべてに適用されます。ウエブサイトの新プログラムへの移行方法をご参照ください。
マルチトレースでトレーサビリティを実証するために、カカオ会社や生産者は何を行う必要がありますか?
- 農場認証保有者は、適切な基準に従って、マルチトレース で数量を販売する必要があります。
- すべての認証保有者(生産者および企業)は、新しいプログラムで要求される期限内にログインし、販売、購入、転換、混合(ブレンド/ミックス)、製造などの活動をトレーサビリティ プラットフォームに登録する必要があります。また、マルチトレース でカカオ製品を「引換」することで、追跡可能なサプライチェーンの終わりを示すことも求められます。
- 企業は、抜き打ち検査を行う堅牢なシステムを実装し、入荷量のサンプルが、認証マークを貼付した製品またはレインフォレスト・アライアンス認証としての表示(オフパックなど)に対応するトレーサビリティ書類と一致することを検証する必要があります。
マルチトレースプラットフォームへの移行
GIPまたはマーケットプレイスからマルチトレースに移行するために、生産者や企業は何をする必要がありますか?
UTZ 認証の生産者と企業
- UTZ認証を受けた生産者と企業のデータを、Good Inside Portal(GIP)からマルチトレースに移行します。
- 移行準備のためGIPが凍結されます。この期間中はGIPを利用することができません。
- GIP に未確認の取引がある場合は、未確認の取引は マルチトレース に移行されませんので、これらの取引を終了してください。
- 凍結期間中、すべての UTZ 在庫を GIP から マルチトレース の新しいアカウントに移行します。この手順の一環として、これら 2 つのアカウントを統合することはありません。これは、登録手順の一環として行われます。ウエブサイトの新しいプログラムを移行する方法をご参照ください。
- データ移行後、マルチトレースアカウントにログインして、数量を利用できるようになります。
レインフォレスト・アライアンス認証の生産者と企業
- レインフォレスト・アライアンス 認証を受けた生産者と企業のデータは、 ーケットプレイス から マルチトレース に移行されます。
- 移行準備のため マーケットプレイス が凍結されます。この期間中は マーケットプレイス を利用することができません。
- 承認されていない取引は マルチトレース に移行されませんので、マーケットプレイス に登録しているデータが凍結期間までに最新のものであることを確認してください。
- 凍結期間中、レインフォレスト・アライアンスのすべての在庫(取引証明書)をマルチトレースの新しいアカウントに移行します。この手順の一環として、これら 2 つのアカウントを統合することはありません。これは、登録手順の一環として行われます。ウエブサイトの新しいプログラムを移行する方法をご参照ください。
- データ移行後、マルチトレースアカウントにログインして、数量を利用できるようになります。
マルチトレースに移行した後も、GIP またはマーケットプレイスの数量を利用できますか?
移行後、GIP または マーケットプレイス は読み取り専用モードでのみ表示できるようになります。システム上でのトレーサビリティに関連する操作は一切できなくなります。
取引履歴は移行されますか?
GIP および マーケットプレイスの利用可能な数量の残高は移行されます。個々の取引履歴は移行されませんが、元のシステムは読み取り専用で利用できるようになっています。
マルチトレースに移行すると何が変わるのですか?
新しい2020認証プログラムと新基準の一環として2021年7月1日以降、すべてのユーザーに適用されます。
- 小売はサプライチェーンの認証範囲に追加されます。
- 第一バイヤーは、サステイナビリティ差額(SD) とサステイナビリティ投資 (SI)を別々に計上する必要があります。これには、「支払われることに合意した額」と実際の「支払額」が含まれます。
- トレーサビリティの範囲が複数原料の製品に拡大されます。ユーザーは、複数原料の製品(チョコレート)への変換とこれらの製品の購入/販売を開始する必要があります。
これまでマーケットプレイス(レインフォレスト・アライアンス プログラム)を使用していたマルチトレースユーザーの場合
- 追跡可能なサプライチェーンの終了を示すために、「引換」を選択することが必須となります。
- 取引証明書は、在庫からの取引として発行されます。
- 企業はプラットフォーム上で取引を確認する必要があります。
- 企業はプラットフォーム上で、トレーサビリティ・レベルを直接格下げできるようになります。
これまでGood Inside Portal(UTZ認証プログラム)を使用していたマルチトレースユーザーの場合
- 「トレース」は「引換」になります。
- 「バター・フルプレミアム」選択肢は廃止され、「バター」に変換されます。
- カカオリカー以降、異なる産地のカカオを混ぜることができるようになります。
取引とは何ですか?
取引は、サプライチェーン内の2つの関係者間における数量の移動です。これには、生産者から購入者へ、またはトレーダーから製造業者、ブレンド業者、または梱包業者などがあります。各取引は登録され、確認される必要があります。マルチトレースには、「委託」や「信頼」など、関係者が簡単にできる設定が数多くあります(例えば、取引の当事者2者がシステム内でお互いを「信頼」していれば、確認は必要ありません)。
在庫ポジションとは?
在庫ポジションは、サプライチェーン関係者が所有する数量の種類であり、マルチトレースに反映されます。企業は、プラットフォーム上で在庫ポジションを集約することができるため、一定のパラメータを持つ数量をまとめることができます。
マルチトレースでデータを報告するにはどうすればよいですか?
ユーザーはマルチトレースにログインし、さまざまなデータ項目を使用してシステム上で作業を実行します。必要となるそれらのデータ項目には、以下のようなものがあります。
- 数量(例えば、転換の入力として使用される販売数量または金額)
- バイヤー名
- 参照番号(例えば、請求書番号)
- 作業日(例えば、販売日または変換日)
- 変換率
すべての企業が、マルチトレース上でこれらの活動を行うことができるようになります。取引の数が多い企業は、プラットフォームにアップロードするための指定フォーマットでの Excel シートを提供することができます。アップロード中にシステムは、マルチトレースが要求するデータと、企業が提供したファイルのデータを照合することができます。
どのような情報が利用できますか?
近日中にマルチトレースのユーザー手引書を提供し、移行完了後に必要な手段についてお知らせします。ウェビナーに登録するためのリンクがメールで送られます。
新しい2020認証プログラムに移行する際には、さらに具体的なマルチトレースのトレーニング資材が提供されます(複数原料の報告、引換、削除、サステイナビリティ差額 (SD) とサステイナビリティ投資 (SI) などについて)。
複数原料のカカオ製品のためのトレーサビリティ
複数原料のトレーサビリティとは何ですか。
マルチトレースには、純カカオ製品(カカオ豆、リカー、バター、パウダーなど)を複数原料の製品に変換する機能があります。これは、純カカオ製品を混ぜ合わせて、チョコレートなどの最終製品や非純カカオ製品を作成することを意味します。変換が必要な場合は、製品に含まれるカカオ原料とそれ以外の原料をマルチトレースに入力することで、「複数原料製品」を作成します。
マルチトレースでは、こうして作成された複数原料製品のその後の購入と販売を記録して、最終ブランド所有者まで追跡することができます。
「付属文書S6:トレーサビリティ」では、複数原料製品のトレーサビリティをブランド所有者に至るまで、完全にトレーサビリティポータルで記録することを義務付けています。これはつまり、すべての複数原料製品が他の認証保有者に対して販売される際に、その販売取引をブランド所有者に至るまで完全にマルチトレースに入力しなければならないことを意味します。
マルチトレースでカカオ製品を複数原料製品に変換するのは、いつから開始する必要がありますか。
すべての企業が、2022年7月1日をもって、複数原料カカオ製品のトレーサビリティに関する要件を完全に満たす必要があります。
「付属文書S6:トレーサビリティ」の複数原料製品に関する要件を完全に満たすには、2022年7月1日以降に発生する複数原料カカオ製品のすべての出荷(例:BtoB原料用チョコレート、BtoBで使用するチョコレートの最終製品)を複数原料取引としてマルチトレースに入力する必要があります。複数原料製品を作成し、管理し、取引する方法はいくつかあります。これらについては、レインフォレスト・アライアンスの「カカオのマルチトレースガイダンス」をご覧ください。
この要件は、複数原料カカオ製品のすべての出荷を、ブランド所有者に至るまで完全にマルチトレースに入力する必要があることを意味します。最終ブランド所有者(最終製品の製造段階)に到達して初めて、数量の引き換え(Redeem)ができるようになります。
2022年6月30日までは要件の遵守は義務ではありませんが、レインフォレスト・アライアンスでは、複数原料の変換と販売をできるだけ早くから登録し始めることをお勧めしています。
また、複数原料のカカオ製品をすでに変換、購入、販売している場合は、それを継続されるようお願いします。
UTZの認証カカオ製品の数量も、複数原料製品に変換する必要がありますか。
はい。この要件は、UTZの認証カカオ製品の数量も対象としています。
2022年6月30日以前に、既に数量がトレース処理済み(GIP使用時)または引き換え済み(マルチトレース使用時のRedeem処理)なのであれば、これらの数量に対しては、マルチトレースで複数原料のトレーサビリティは義務付けられません。引き続きUTZの要件に従って、クレジットアカウントでこれらの数量を記録し、数量を生産に使用するのに伴って、クレジットアカウントから削除できます。
2022年1月31日をもって完全相互認証が導入されたため、マルチトレースでUTZの数量を特定することはできなくなりました。
UTZの認証カカオ製品の数量のみを調達していて、非認証のカカオ製品は購入していなかったため、クレジットアカウントの使用を免除されていました。何をする必要がありますか。
これまで(UTZの流通加工過程管理のコントロールポイント19に従って)クレジットアカウントの使用を義務付けられていなかったUTZの認証企業も、「付属文書S6:トレーサビリティ」の下で対象とされる複数原料カカオ製品を取り扱う場合は、2022年7月1日以降、その数量のトレーサビリティを管理し始める必要があります。それまでの間は、UTZまたはレインフォレスト・アライアンスの認証カカオ製品のみを100%調達していることを認証機関に証明して、現行の免除要件を遵守していることを示す必要があります。また、レインフォレスト・アライアンスでは、これらの企業に対し、2022年7月1日を待たずにできるだけ早く、複数原料のトレーサビリティを導入するよう奨励しています。
UTZのクレジットアカウントでのみ利用できる現在のクレジットを、マルチトレースの数量に変換する必要がありますか。これらがすでに記録または引き換えられている場合は、マルチトレースでこれらの数量のトレーサビリティをどのように管理できますか。
すでにトレース処理済み(GIP時)または引き換え処理済み(マルチトレース時)の数量に関して、マルチトレースでクレジットを作成することはできません。これらの数量は、マルチトレースのシステムの外で、クレジットアカウントを使ってのみ管理することができます。
2022年7月1日よりも前に数量がトレース処理済み(GIP時)または引き換え処理済み(マルチトレース時)で、それがクレジットアカウントで管理されていた場合は、マルチトレースで複数原料のトレーサビリティを管理する必要はありません。引き続きUTZの要件に従って、クレジットアカウントでこれらの数量を管理することができます。
クレジットアカウントにUTZのクレジットが大量に残っていて、2022年6月30日までにすべて販売することができません。2022年7月1日以降、これらのクレジットはどうなるのですか。
2022年7月1日の期日前にできるだけ早く、クレジットアカウントのクレジットをすべて販売するよう、企業に助言しています。純カカオ製品から複数原料のカカオ製品に変換している企業は、クレジットアカウントに新しいクレジットを追加していないはずです。レインフォレスト・アライアンスでは、二重の管理体制(マルチトレースとクレジットアカウント)からできるだけ早く移行して、業界にかかっている管理業務の負担を軽減したいと考えています。
このため、次のことを推奨しています。
- マルチトレースの複数原料の機能がすでに使えるようになっています。この機能をできるだけ早い段階で使い始めてください。
- 2022年第1四半期の時点では、次のようになります。
- UTZのプログラムで認証を受けた企業は、UTZの要件に則って、引き続き複数原料製品を作成する際に数量を引き換えることができます。
- レインフォレスト・アライアンス2017プログラムの持続可能な農業基準で認証を受けた企業は、引き続き複数原料製品のトレーサビリティを提供すべきです。
- 完全相互認証を受けて個別のプログラムがマルチトレースでは表示されなくなったため、複数原料のトレーサビリティをすでに管理している企業は、どちらのプログラムから入ったかにかかわらず、マルチトレースでカカオ製品のトレーサビリティを報告し続けるべきです。
- 2022年第2四半期には、UTZの認証企業はすべて、単一原料のカカオ製品を複数原料のカカオ製品に変換する際に、製品を引き換えるのは停止して、複数原料製品(チョコレートなど)の完全なトレーサビリティを記録し始めてください。これにより、2022年7月1日の期日に向けた準備ができるようになり、以前のクレジットをクレジットアカウントから移すのに役立ちます。
- クレジットアカウントは、2022年12月31日までの間、マルチトレースのトレーサビリティと並行して使い続けることができます。これにより、クレジットアカウントからクレジットを移すのに十分な時間がもたらされます。損失の可能性を回避するために、製品の引き換えを直ちに停止し、マルチトレースで複数原料製品への変換を開始することをお勧めしています。複数原料のトレーサビリティを直ちに開始したにもかかわらず、なおも2023年に入った時点でクレジットアカウントにあるクレジットを失ってしまう可能性があることを実証できる方は、customersuccess@ra.orgまで直接ご連絡ください。
2022年6月30日以前に数量を引き換えた会社から製品を購入しているため、マルチトレースで販売取引を作成することができません。それでも要件を遵守していると見なされますか。顧客にはどう説明すべきですか。
貴社のサプライヤーがすでに数量を引き換えていて、複数原料製品をクレジットアカウントで記録している場合は、要件を遵守しています。貴社もそのクレジットをクレジットアカウントで記録するかぎり、そのサプライヤーは、この数量を貴社に販売することができます。これは、貴社から購入する顧客にも当てはまります。
2022年12月31日までは、マルチトレースのトレーサビリティと並行してクレジットアカウントを使用することが認められています。これにより、クレジットアカウントからクレジットを移すのに十分な時間がもたらされます。これが損失の可能性につながる場合は、製品の引き換えを直ちに停止し、マルチトレースで複数原料製品への変換を開始することをお勧めしています。複数原料のトレーサビリティを直ちに開始したにもかかわらず、なおもクレジットアカウントにあるクレジットを失ってしまう可能性があることを実証できる方は、customersuccess@ra.orgまで直接ご連絡ください。
クレジットアカウントの審査は、2022年7月1日以降も行われますか。
サプライチェーン認証保有者には、自社で処理した出荷分も含めて、入荷と出荷に関する記録を維持することが義務付けられていて、これは今後も継続します(サプライチェーン要件の要件2.1.6および2.1.9)。入荷および出荷とは、単一原料と複数原料の両方の製品を指します。このため、企業は、審査に際して、クレジットアカウントの記録や紙の資料などをエビデンスとして提出して、遵守を証明する必要があります。
レインフォレスト・アライアンス2017プログラムの認証カカオ製品を購入および販売していて、これまで自社のカカオ製品をチョコレート(複数原料製品)に変換してきました。今から2022年7月1日までの間は、カカオ製品のチョコレートへの変換を停止すべきですか。
いいえ。管理業務の負担を軽減するため、すでに複数原料カカオ製品の変換、購入、販売を行っているのであれば、それを継続することを奨励しています。
最終ブランド所有者として最終製品を製造しています。自社の数量を引き換える前に、単一原料のカカオ製品をすべて複数原料の製品に変換する必要がありますか。
いいえ。この場合は、数量を引き換える前に、単一原料のカカオ製品(カカオ豆、リカー、バター、パウダーなど)をチョコレートや複数原料のカカオ製品に変換する必要はありません。関連付けられた単一原料のカカオ製品の数量をマルチトレースのアカウントから直接、引き換えることができます。
最終ブランド所有者の定義についての詳細は、「付属文書S6:トレーサビリティ」をご覧ください。小売企業の方は、レインフォレスト・アライアンスのウェブサイト「サプライチェーン全体の責任の共有について パートナー企業の皆様(小売およびフードサービス企業)」もご覧ください。
2022年6月30日までに複数原料製品をマルチトレースで受け取った場合に、これを受理する必要がありますか。最終ブランド所有者ではないのですが、この製品をその後にチョコレートとして販売する必要がありますか。
できれば、そうしてください。2022年6月30日までに複数原料製品を受け取った場合は、この取引をマルチトレースで確認することができます。2022年7月1日以降は、複数原料製品に関する要件の遵守が義務付けられますが、それ以前でも、サプライチェーンに十分な準備ができているようにするため、要件の遵守を奨励しています。
最終ブランド所有者でない企業は、2022年6月30日までは複数原料製品を引き換えることができますが、2022年7月1日以降はその製品を販売しなければならなくなります(マルチトレースで販売取引を報告します)。
2022年6月30日までに複数原料製品の契約を結んだ場合でも、複数原料の要件を遵守する必要がありますか。
はい。契約がいつ締結されたかにかかわらず、複数原料のトレーサビリティに関する要件は、2022年7月1日以降に発生する出荷品すべてに義務付けられます。
単一原料のカカオ製品を複数原料製品に変換するたびに、複数原料製品を作成しなければなりませんか。
いいえ。製品設定を作成するのは1回のみです。その後は、この設定に単純に数量を追加することができます。様々な複数原料製品の在庫状況を作成する方法についての詳細は、「カカオのマルチトレースガイダンス」の項目5「複数原料のトレーサビリティ」をご覧ください。