レインフォレスト・アライアンスは約40年にわたり、人と自然の調和を回復する活動に取り組んできました。生産者と森林コミュニティを中心に、私たちは影響の及ぶ範囲を広げるための主な手段として、認証制度を先駆けて導入しました。現在、750万人以上の生産者と農場労働者、7,600社のパートナー企業が、私たちのアライアンス(同盟)に加盟しています。私たちは、世界最大規模の持続可能性認証プログラムの1つとして、認証制度がより良い未来に向けた変革を市場にもたらしていることを誇りに思っています。
しかし、気候や自然が転換期を迎えている今こそ、炭素集約型であり生物多様性を損なう食糧システムを見直すべき時です。農業セクターの再生とプラス方向への変化、いわゆるネットポジティブを加速させ、そこで働く人々の暮らしを改善するために、生産者や企業にとって認証がより良い形で機能するように認証制度を進化させています。
この進化の原動力とは?
- フィードバックを参考に
皆様の声に耳を傾けました。私たちは、認証プログラムをこれまで以上に使いやすく、合理的なものにするため、不要な複雑さを一掃し、データに基づく取り組みを強化しました。 - これまでの経験を活かして
持続可能な農業と林業における数十年にわたる活動を通じて、私たちは、より多くの農業コミュニティや企業の人々をアライアンスに引き入れる新たな機会を見いだし、また現在のパートナーとの影響を深める新たな方法を得ることができました。 - 進化する規制環境への適応
新たな規制や環境・社会・ガバナンス(ESG)の枠組みが登場する中、認証もそれに対応していかなければなりません。EUの法律や国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」 、および「生物多様性に関する世界枠組」などの世界的な取り組みが、食糧システム、農業、林業、ビジネスに変化をもたらしています。生産者や企業が認証製品を市場に供給し続けられるよう、私たちは認証プログラムをさらに進化させ、高まる期待に応えていく所存です。
変更された点は?
認証プログラムをより使いやすく、データに基づいたものにするために、その合理化と改善に取り組んでいます。これには、プログラムの変更と並んで、改定された持続可能な農業基準第1.4版が含まれます。第1.4版の基準文書は2025年3月からオンラインで公開され、更新された基準は2025年10月1日以降に実施される審査に適用されます。また、3月には、第1.3版に対する簡素化方針 が導入され、第1.4版が発効される前に、生産者や企業がこれらの前向きな変化の恩恵を受けられるようにします。
持続可能な農業基準第1.4版の主な変更点は以下のとおりです。
- 認証要件の簡素化:生産者と企業の双方にとって最も有益であることが証明されている要件は残し、不必要な負担や複雑さをもたらしている要件は削除します。
- より的を絞った監査と審査:生産者、サプライチェーン関係者、認証機関が内部監査および審査に費やす時間とリソースを削減するための措置を講じています。これにより、第三者審査員がより焦点を絞った、効果的な結果を出せるようになります。高い業績を上げている生産者は、サンプル数や審査の範囲を縮小することで恩恵を受け、極めて優れた業績を上げている生産者は、審査頻度の現象という形で報われます。サプライチェーン関係者の検証はリスクレベルに基づいて行われ、審査は2~3年に1度で済む可能性もあります。
- データ品質の向上と焦点化:私たちは、市場ニーズと継続的な法制度との調和を支援する上で不可欠なデータ項目に焦点を当てるため、データ管理の方法を合理化 しました。すべての数値データ項目を明確な1つのリストに統合することで、生産者の報告作業を簡素化すると同時に、データの質に重点が置かれるようになります。認証機関によるデータの検証および有効性確認の強化に加えて、より良い研修、指導、デジタルツールを通じて、すべての利害関係者により正確な報告をできるよう支援します。
これらの変更により、プログラムの完全性と正当な主張を支える能力を維持しながら、プログラムの効率性を高めることができます。また、私たちはISEAL 規範の遵守にも引き続き取り組んでまいります。レインフォレスト・アライアンス認証プログラムは、EU企業サステナビリティ報告指令、EU企業持続可能性デューデリジェンス指令、EU森林破壊防止規制、ドイツのサプライチェーン法などの規制に対する企業のコンプライアンスを支援するためのデータを提供し続けます。
現行の基準に対する次回の変更点の詳細については、こちら をご覧ください。
新たな専門的認証ソリューション、進行中!
持続可能な農業基準の更新に加えて、再生型農業、気候、暮らしという3つの重要な分野に特化した新しい専門的な認証ソリューションの開発を進めていることをお知らせいたします。
これらの専門的なソリューションは、既存の認証保有者には任意の追加機能として、また新規参加者には独立したソリューションとして利用可能です。これにより、生産者は市場へのアクセスを拡張し、特化した持続可能な取り組みを検証する機会を得ることができます。企業にとっては、他社との差別化を図り、持続可能性への取り組みを強化し、意欲的なESGゴールを透明性をもって報告する機会となります。これらのソリューションにより、これまで以上に簡単に、本当に効果的な形で持続可能性を推進することができるようにました。 2025年の「再生農業基準」の発表にご期待ください。近日中に詳細をお知らせいたします!
人や自然を支援するために、もっと多くのことを行うべきだという声がますます高まる中、レインフォレスト・アライアンスでは耳を傾け、果たすべき使命に取り組んでいます。この新機軸は、その使命を反映したものです。認証を進化させることで、より多くの生産者や企業をアライアンス(同盟)に迎え入れ、「ネットポジティブ」に転換するよう支援できるようになります。